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日付:2006年10月28日
タイトル:樹木の不思議 

「樹木が生きていくための戦略とは?」

10月28日、「樹木の不思議」と題し、朝日村にある5本の樹木を見て回る観察会を開きました。 雲ひとつない秋空のもと気持ちの良い観察会が出来ました。

今回は、「樹木が生きていくための戦略とは?」と副題を付け、5本の樹木を選びました。

まず、「おじぎをしてしまったハナノキ」で、何故か木の上部が曲がってしまいました。風の影響とも考えられず原因不明ですが、 傾いている反対側に枝を付け始めバランスをとっている様子がみえます。


次に、「花が咲かなくなったエノキ」で、花が咲かないため実も付けません。雌雄同株に木なのにここ10年実を付けたことがありません。 近所のお年寄りに聞いたところ、若い頃は実を食べたとのこと、何故花を付けることを忘れてしまった?のか謎です。 誰かこの現象教えてくださいませんか?


次に、「ブロック塀を呑みこもうとしているケヤキ」です。樹齢150年くらいのケヤキですが、少しずつブロック塀を巻き込み始めた様子は、 近くで見ると「なんでこんなことを」と恐ろしくなってしまいました。人間と樹木の間にはなんと隔たりがあるのだろうと、感じてしまいました。


次は、「生きた化石と言われているメタセコイア」です。朝日小学校の入り口にそびえています。樹高約25m・ 幹周囲3.8mと堂々としたものです。昭和26年に植えられたとのこと樹齢54年となります。この木については、少ない栄養分で、 合理的に材をつけ幹を強化せていることと、風の力を分散し受け流す枝について説明しました。


最後は、「ナンジャ・モンジャの木ことヒトツバタゴ」です。
この木は、朝日村に1本しかない貴重な木だったので見てもらいました。5月下旬ころ一斉に白い花をつけた様は圧巻です。


天気にも恵まれ、参加者のみなさんも心地よい汗をかいたようですが、次回もまた参加したいと言っていただきました。

日付:2006年10月08日
タイトル:シラカバの診断

 塩尻市の某会社の工場内にあるシラカバの木、35本の診断を頼まれました。樹齢30年くらいで、 樹勢も大分弱っていました。また、ゴマダラカミキリの幼虫による穴も幾つか見つかりました。

以下診断結果です。




シラカバの特徴         
 カバノキ科カバノキ属の植物で、落葉樹の一種である。
樹皮が白いことからつけられた名前で、落葉広葉樹と亜高山帯下部に分布し、長野県や北海道に多い。近縁種としてダケカンバがある。
 明るい場所を好み、生長が早い。通常一世代限りで消えていく。花期は春で、雌雄同株で、5cmほどの雄花は長枝の先から尾状に垂れ下がる。
 雌花は、短枝に4cmほどの花穂をつける。長野県の県木でもある。

【1】管理の特性
① 基本的には、自然条件で楽しむものであり、電線や民家など支障のな
      い広々とした場所の植栽に向いている。
② やむを得ず剪定する場合でも、自然樹形の維持管理は最低限の目標であり、太枝の切り詰めは絶対に避ける 必要がある。
③ 一旦樹形を崩したものは、再生させる見込みはない。                                                                               

【2】 環境への対応
① 生長は早く、日当たりを好み、耐陰性はない。
② 適潤~やや適潤で肥沃な深い土壌を好み、極端な乾燥地、低湿地は嫌う。
③ 耐寒性・耐雪性・耐風性はあるが、大気汚染に弱く幹が黒ずんでしまい本来の良さを発揮出来なくなってしまため、 都市環境には余り向かない。
④ 根は深根性で、広がりは中程度。樹体がある程度大きくなると、移植は不可。

【3】 発生しやすい病虫害
① カミキリムシの幼虫(テッポウムシ)の被害が発生しやすい。
②この他、ハンノキムシ・褐斑病・うどんこ病・胴枯病・てんぐす病などがある。

【4】 維持管理上の注意等
① 樹液の流動が早いので、3月以降に剪定をしない方がよい。
② シラカバ自体に糖分を持ち、害虫のつきやすい樹種である。

【5】 老齢期の管理
① 町中でのシラカバの寿命は、余り長くない。様々な傷害による傷からの、胴枯病に罹りやすく、一旦腐朽すると脆いため、 倒木の危険性があるので、早めに処理する。

ゴマダカミキリの生態

各地に普通にみられ、ハンノキ・シラカバ・ポプラ・カエデなど多くの庭木・街路樹の他、かんきつ類の生木を加害する有名な害虫である。

1世代を完了するのに2から3年を要する。成虫は6~7月に最も多く発生する。産卵木の新梢の樹皮を噛み切って栄養を摂取するため、 その先が 枯死するか風で折れやすく、被害の目安となる。

産卵部位は樹幹の下部、特に地際の多く、大あごで樹皮を横に噛み切り1個ずつ産卵する。1頭の産卵数は平均30~40個で、 多いものは90~120個を産む。

卵は約10日でふ化する。若齢幼虫は樹皮下を浅く食害するが、成長するにしたがって地際の辺材部を環状に食害した後材内に穿入し、 樹幹の根元に細かい繊維状の木屑を排出する。主に地下部を食害する。
芝や下草で覆われている場合、被害が目につきにくく、気がついたときは致命的な被害を受けていることが多い。



シラカバの診断結果について
【1】 枯死しているシラカバ(番号 1,2,8,32,35)5本については、伐採・焼却処分をすること。特に1番・2番については、 カミキリムシの関与が見られない。原因としては、剪定(特に大枝の剪定)箇所からの腐朽菌が原因で胴枯病になり枯死したものと考えられる。

【2】ゴマダラカミキリがすでに入り込んでいるシラカバは、17本(57%)に及んでいる。まだ穿孔穴が見られない木も、恐らく産卵 (7月下旬)が すでに終わっているか、木の材部にすでに幼虫が住み込んでいると思われる。
【3】 防除法
★成虫は、見つけ次第に捕殺し、密度を減らすよう努める。
★成虫の発生最盛期(7月上旬~中旬)には、エルサン・パプチオン・スプラサイドなどを散布する
★産卵防止のため、樹幹にサッチューコートS・トラサイドなどを樹幹塗布剤を地際から20~30cmくらいの高さまで塗布しておく。  
★食入した幼虫を殺すためには、上記薬剤を虫ふん排出孔から注入すれば効果がある。
★天敵糸状菌(バイオリサカミキリ)1樹当り1本、地際に近い主幹分岐部に巻きつけホチキスで止める。成虫発生初期に取り付ける。 約1ヶ月の効用       

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